IT導入補助金とは?2024年の概要、手続き等を詳しく解説(後編)
目次
- はじめに
- IT導入補助金2024の交付申請~補助金交付までの流れ
- 申請前の準備
- 申請~補助金交付、成果報告まで
- 事前準備が必ず必要なもの
- GビスIDプライムアカウント
- SECURITY ACTION
- みらデジ経営チェック
- 事業スケジュール
- おわりに
1. はじめに
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者が業務効率化や売上アップ等、様々な経営課題を解決するため、ITツールや関連サービスを導入・利用する際、かかる費用の一部を補助する仕組みです。
IT導入補助金2024に関して、前編ではIT導入補助金の仕組みや流れ、枠種類の説明や補助金の支給目的、補助率や補助額、補助対象者について解説しました。
引き続き後編においては、IT導入補助金2024の交付申請~補助金交付までの流れ、補助金申請前に事前準備が必要なもの、事業スケジュールなど詳しく紹介します。
2.IT導入補助金2024の交付申請~補助金交付までの流れ
IT導入補助金2024の申請・導入までのフローは大きく分けて「申請前の準備」と「申請~補助金交付、事業実施、成果報告」の2つのプロセスに分けることができます。
その流れを図で示すと以下のようになります。
2.1.申請前の準備
引用元:申請・導入までのフロー|IT導入補助金2024事務局
STEP1~4までは、申請者(中小企業・小規模事業者等)が実施する項目です。
申請前に準備する項目として、STEP2~3のGビスIDプライムアカウントの取得、SECURITY ACTIONの実施、みらデジ経営チェックの実施がありますが、これらの項目については次章において詳しく解説します。
そしてSTEP4で、自社の業種や事業規模、経営課題に沿って、IT導入支援事業者と相談し導入したいITツールを決めたらいよいよ交付申請手続きに入ります。
2.2.申請~補助金交付、成果報告まで
引用元:申請・導入までのフロー|IT導入補助金2024事務局
STEP5~10までは、申請者がIT導入支援事業者のサポートを受けて手続きを進めます。
STEP5では、パートナーとなったIT導入支援事業者と一緒に交付申請用の事業計画を策定、その後、いくつかの作業を経て事務局に交付申請します。
STEP6においては、事務局により申請内容についての審査が行われ、完了すると交付決定通知がされます。
決定通知を受けた申請者は晴れて補助事業者となるので補助事業を開始できます。
STEP7においては、補助事業者は交付決定を受けて補助事業を実施しますが、同時にITツールの発注・契約・支払も行えます。
ただし交付決定前に発注・契約・支払をやってしまうと、補助金の交付が受けられなくなるので注意して下さい。
STEP8では、補助事業を完了した補助事業者が事務局に対して「事業実績報告」を行います。
その際、実際にITツールの発注・契約・支払等を行ったことが分かる証憑もあわせて提出します。
STEP9では、補助実績報告がなされ補助金額が確定するので、補助事業者は「マイページ」で補助額を確認します。
その内容確認後に事務局から補助事業者に対して補助金が交付されます。
STEP10は「事業実施効果報告」で、IT導入補助金受給後の最終手続きになります。
定められた期限内に補助事業者が「マイページ」より必要な情報を事務局宛て提出します。
その際、提出前に必ずIT導入支援事業者の確認を得ることを忘れないようにして下さい。
3.事前準備が必ず必要なもの
IT導入補助金2024の審査にあたっては、支給要件を満たした中小企業・小規模事業者等のデジタル化による業務効率化や生産性の向上、セキュリティ施策等の関連施策への取組に着目して交付の可否が判断されます。
一方IT導入補助金(通常枠)が交付されるためには、以下の3つの施策が事前に必ず実施されていることが必要です。
実施していなければ自動的に不採択となります。
またインボイス枠とセキュリティ対策推進枠については、これらの実施は加点項目となっています。
【事前準備が必要な3つの施策】
▪GビズIDプライムアカウントの取得
▪SECURITY ACTIONの実施
▪みらデジ経営チェックの実施
以下で各項目について詳しく解説します。
3.1.GビスIDプライムアカウント
補助金の交付申請を行う準備として、申請者(中小企業・小規模事業者等)はGビズIDプライムアカウント(ID・パスワード等)が必要です。
GビズID プライムアカウントとは、法人・個人事業主向け共通認識アカウントで、いったんGビズIDを取得すると、1つのID・パスワードで複数の行政サービスにログインできます。
GビズID プライムは、「gBizID」ホームページ にアクセスして手続きすれば取得可能です。
また取得までの期間は申請手続きからおおむね2週間必要ですので、IT導入補助金2024を申請するなら時間的余力を持って事前申請するようにして下さい。
3.2.SECURITY ACTION
IT導入補助金2024の交付申請には、GビズIDプライムアカウント取得に加えて、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の宣言の実施が必要です。
この宣言は、中小企業・小規模事業者等が自ら、情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度で、「★一つ星(※1)」または「★★二つ星(※2)」を宣言することを補助金申請の要件としています。
交付申請作成時には、宣言済アカウントIDの入力が必要となります。
申請時になぜ「SECURITY ACTION」の宣言が必要かというと、ITツールの導入にはセキュリティ面への配慮が重要だからです。
さらに加えてITツール導入後も、情報セキュリティ対策を継続かつ向上させる取組が必要なため、本補助金を申請する際、SECURITY ACTIONを宣言することが必須要件となりました。
なお、SECURITY ACTIONの申込は、IT導入支援事業者が代理申請することは禁じられています。
必ず申請者自身がSECURITY ACTIONを申込するようご注意下さい。
(※1) ★一つ星では、中小企業が自ら「情報セキュリティ5カ条」に取り組むことを宣言
(※2) ★★二つ星では、中小企業が「情報セキュリティ基本方針」を定め、外部に公開したことを宣言
出典: SECURITY ACTION|IPA独立行政法人情報処理推進機構
3.3.みらデジ経営チェック
IT導入補助金2024の交付申請には、さらに「みらデジ経営チェック」の実施が必要です。
特に通常枠においては、「みらデジ経営チェック」が必須の申請要件となっており、受けなければ申請しても確実に不採択となります。
「みらデジ経営チェック」は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する中小企業・小規模事業者等の経営課題をデジタル化により解決することをサポートする制度です。
IT導入補助金を活用して単にITツールを自社に導入したとしても、それが自社の経営課題に適してなければ経営改善を図ることはできません。
その点、申請者が「みらデジ経営チェック」を受ければ、経営課題の把握やどのようなITツールを導入すれば経営課題を解決できるか把握できます。
参照先:みらデジ経営チェック|中小機構
4.事業スケジュール
本章では、募集中のIT導入補助金2024のうち、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)を中心に事業スケジュールをご紹介します。
5.おわりに
IT導入補助金2024について、その概要、手続きの流れ、留意点など詳しく解説しました。
ITツールや関連サービス等を導入及び活用し、業務効率を上げて売上げや利益の拡大に結びつけたい事業者の方はぜひIT導入補助金の利活用をおすすめいたします。
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